SVC2011 シリコンバレーから その5

3月11日

運転にも慣れてきて、
相変わらずいい天気の続くマウンテンビュー
まさか遠く離れた日本で惨劇が起こっていようとは
にわかに信じがたい。
しかし、その影響はこちらにも確実に届いていて、
サンフランシスコでは津波が到達して、船が壊れたりしたとか。
また、重要な連絡ツールとなる携帯電話が日本の混乱のため、
うまくつながらなくなった。
そして、ホテルの人々は「家族は大丈夫か?連絡とれたのか?」など朝から心配しまくってくれていた。
はやのんきに夢にあふれている自分に罪悪感を感じつつも、
SV三日目が始まった。


今日はEvernote,IP infusion, Grobal Catalyst Partnerという予定。
昨日シリコンバレーではつながりが大切だという事実を知り、
名刺を作ってなかった自分の愚かさに気づいた。
なので、英語であろうがなんだろうが、積極的に質問してとにかく目立つことにした。*1,*2


現地での仲間も増えてきた。
行く先々でいろんな人に会うので、積極的にコミュニケーションに努めた。
幸いにもFacebookSVCグループで暴れていたので、少し顔は売れていたみたい。


Evernote

スタンフォードの留学生の近藤さん(M2)が
ローカライズと、マネジメント?の仕事をしている。
東大卒業してから、院で留学したらしい。


友達の紹介でEvernote見学させてもらう時に、
いきなり履歴書持って行って、
Evernoteのユーザは日本人結構多いよね。目の前に日本語のできる安い人材がいるけど、どうする?」
とゴリ押しして入れてもらったらしい。 すごいかこいい。

Evernoteは人間の記憶を管理
               

  • 日本のユーザは20%ぐらい。日本人であることを強みに活躍できる場もある。
  • ベンチャーは人材を求めていて、プログラマは特に必要。
IP infusion

日本法人ACCESSの子会社で、石黒さんという
スーパープログラマがCTOらしい。

  • ビザの話は問題。留学でくるのがベスト

新卒はインターンがほとんど。
中途採用はどこもGoogleのようにテストする。
ソーティング、リスト構造などは基本で、
得意な分野についてどの程度知っているか、
一番難しかったバグは?などが面接で聞かれる。

  • ハードウェアのベンチャーはコストがかかるので厳しい
  • 日本ではPPTだけで営業できる。SVではモノがないと無理
  • コードはかけて当たり前。+αを
  • 休日は交流イベントなどに参加したりとか
Google(1回目)

少し次の予定まで時間があったので、突撃してみた。
Googleplexの裏庭?はwindowsXPの壁紙の草原みたいになってた。
車を止めて、うろうろしていたら事務のおねいさんたちが
謎の8人乗り自転車に乗って颯爽と現れ、しんどいから手伝って!
と何故か一緒に自転車で爆走することに。
自由すぎる。

Grobal Catalyst Partner

社長の大澤さんに話を聞いた。

  • VCによって能力が違う

大澤さんは現場を見てきた人間で、オカネの動きが見えやすい分野への投資は得意だが、
FacebookTwitterのような爆発する会社を見分ける能力はない。

  • SVには約800のファンドがあり、そのうち大澤さんは40ぐらいとつながりがある。
  • CEOが51%以上株を持つのは危険

CEOの意思ですべてが決まり、クソCEOでもクビにすることもできない。

  • 1年で400件ぐらいのスタートアップからくるが、その中で採用されるのは2,3件
  • 最後はCEOの人間性と経験に基づいた勘
  • 投資を受けるには、5000万DLのアプリと500万PVのサービスがライン
3日目を終えて

ここに来て、アメリカに来て働くにはビザというものが
鍵を握っていることに気づく。
今まで、来たくなれば来ればいいんじゃね?とか思ってたのは
かなりナンセンスだったらしい。
参加者達はこれについてすごく興味があるみたいだった。


一番印象的だったのはやはり留学生の近藤さんだった。
プログラマーでないにせよ、自分と同年代の人間が世界のトップベンチャーで活躍
している事実がそこにあった。
こういった学生が自分のまわりにいないことに危機感を覚えたが、
彼の留学のための血のにじむような努力を聞き、
冷静に自分には無理かもしれないと思った。
それは、同じようなことをもう一度勉強したくないという思いと、
留学できるレベルまで英語のレベルを延ばすことに注力できる気がしない
と思ったから。
シリコンバレーではドクターの価値が高く
ドクターで海外に行くという選択肢もあったが、
取得に平均5年ぐらいかかるし、もはや実務に目移りしている自分は
そんなにがんばれる気がしない。


そういえば大学受験の時に落ちたら、もう留学してやる!
と考えていたことを思い出した。
アメリカで働くという観点から見ると、落ちていた方がうまくいってたかもしれないなー
とかぼんやり考えていた。

*1:ここで現地で名刺を作るという選択肢が出なかったあたり、アホ

*2:しかし、結果的にほぼすべての場において発言した

SVC2011 シリコンバレーから その4

3月10日


初めて投資家の話を聞いて、
一体どういった手順で、どういった心境、戦術で投資が行われているのかが
実際の例をもとにリアルに感じることができた。
今まではベンチャー側の視点でしかほとんどVCをイメージしたことなかったが、
VC側の視点を見ることができた。


これは、私の中で新しい知識であり、
この先シリコンバレーベンチャー企業を回るにあたって、
その知識を得たことで、そこで起こっていることが、
より深く理解できるようになった。
大きな進歩。


更新が遅くなったのは、
この日の夜、つまり日本の11日の昼に、
衝撃的な災害が起こって
情報収集に集中していたから。


ようやく5人の仲間がそろい、ホテルに帰ると、
twitterが異様な光景になっていた。
テレビをつけるとどうやら震度7地震だとか
わめいてる。 ニュースがすべて日本のことになってる。
どうやら異常なことが起こったと思って見ていたら、
しばらくした後に、リアルタイムで津波に街が飲み込まれる映像が
飛び込んできた。
あまりにも信じられない光景だったので、本当に目を疑った。
映画か!と。


そして、知人は大丈夫なのか、自分は帰れるのだろうか、
遠いが故に不安が募る。


シリコンバレー発祥の地

朝から、シリコンバレー発祥の地である、Hewlett & Packerd のガレージへ行ってきた。
普通の住宅街のど真ん中にポツンとあり、石碑がたてられていた。
ごく普通のガレージで、こんなとこでパソコンつくってたとか
クレイジーやなと思いました。

Stanford(2回目)

発祥の地から近いので、また来てしまった。
ショップがあったので、グッズを購入したぜ!
stanfordのPCストアには日本メーカーのPCはなかった。。

SunBridge

昼からSunBridgeという日本の投資会社(VC?)のシリコンバレー支社に行きました。
Plug and Play CenterというGooglePayPalを生み出したインキュベーション施設の中にあって、
まだ2,3人のベンチャーや、個人事業家などがひしめきあってました。
また、元日本オラクルの社長、アレン・マイナーさんのお話を聞いた。
日本のベンチャーと投資家について

  • ソニーやホンダの時のようにもう一度日本の力を証明したい
  • 投資家の勘を理論でつぶしてしまう
  • 日本のベンチャーIPO(株式公開)するのが早すぎる
Oracle

シリコンバレーの大企業。 
データベースの会社で、Officeの建物が円柱になっててとてもステキ。
そこで働いている日本人の方とお話した。 

SVC2011 シリコンバレーから その3

とりあえず書きなぐる。

3月9日

大好きな日に、この希望に満ちた旅は始まりました。

伊丹から成田経由でサンフランシスコへ。
太平洋は思っていたほど遠くなくて、
鉄のかたまりに乗って、上空10000mを時速1000kmで飛べば、
8時間ほどでした。
雲界をぼーっと眺め、
あまりに短い夜を超えると、
新しい3月9日が始まっていました。


本日の予定は

といったところ。


今乗らないでいつ乗るんだ、と言い聞かせ、
国際免許をとり、レンタカーを運転しました。
時差ぼけで眠気眼の僕には、アメリカの車社会はあまりに刺激的であったけども、
FreeWayを100㌔でぶっとばしながら、旅路を進みました。
どこか心地よい。 そして、意外とイケてる。
そう思いました。



スタンフォードで、遅めのランチをしようとするも、
それはもうあまりにも広大で、
食堂の場所を聞いて歩くだけでも15分以上かかりました。
もう京大の5倍ぐらいの規模はあったと思います。

構内に転々と敷き詰められた芝生は
のんびりした風をはこんでいて、
過ごしやすい気温とともに、
学生達は皆、さわやかで、輝いて見えました。
この中に日本人はいったい何人いるのだろうか。


そして、前回シアトルでも苦しんだSubwayでまたも
自分の英語力のなさを突きつけられ心を折られかけながらも、
スタンフォードの学生達と共にジャンキーなサンドイッチを喰らう。
いろんな人がいるスタンフォード
もし留学したらどうなるだろうか。
うまくやれるだろうか。
英語のみ心配だなー。 うーん。 
とか考えてた。

あとスタンフォードパーカーの在処を聞いたので、
また買いに行こう。
学生さんは丁寧に教えてくれました:)
それと、もしできたらCSの学生と話したい!
専門の話ならまだできる気がする。
同年代の同専攻が一体何を思っているのか。
非常に気になりますね。



そして、アメリカNO1の量販店、ウォルマートにも行きました。
物価は日本のものとあまりかわらなかったけれども、
広すぎる店内では全面がコーラの棚や、ジャンキーなスナックの山など
アメリカンさが随所にあらわれていました。
バドワイザー発泡酒Bud Lightも発見。
でもお酒を買うには国民ID??が必要だと怒られました。


そんなこんなで、サニーベールのホテルに。
こっちにきて一番おいしかったのが、
ウォルマートで36セントで買ったオレンジ!感動的!
驚くほど眠いが、今日あったことをメモメモ。
体調崩さんようにしっかり睡眠はとらんとね!
ではでは、おやすみなさい。

SVC2011 シリコンバレーから その2

かつてない世界に入ろうとしている自分を
記しておく。

シリコンバレーに行くまで。

FacebookやGoogleGroupsのグループで
日夜誰かが企業とのアポイントメントの枠をとり、
それを募集する先着順の案内を出しては、殺伐と埋まる枠。
それは今や有名企業から、名も知れぬような小さな企業、VCなど、
様々なものがある。
今回は、
Google,Facebook,Twitter,Oracle, Apple, nVIDIA, Evernote,
IDEO, IPinfusion, ngmoco, SanBridge,etc...
といった、有名企業への募集がありました。


そして、自分から動かないと
何も始まらない。

これを強く感じました。

ということで、何かと忙しい中、
積極的に仲間を集めてみたり、
予定を入れたりしました。

東京で行われたプレカンファレンスにも日帰りで参加し、
何か得れるものを求めて、奔走しました。



しかし、個人的には不本意なレベルの準備で
渡米することになりました。

訪問する企業の歴史を知らない。
現地で働いている人のことを知らない。
カンファレンスで登壇する人のことすらほとんど知らない。

こんな現状でありました。
ほんとに自分は興味あるのだろうか。
一瞬疑問が浮かびましたが、
かき消しました。
行くのだ。

SVC2011 シリコンバレーから その1

シリコンバレーカンファレンス
2年前からこの言葉を聞きすぎて、
いつしか思春期におけるモザイクの向こう側的な存在に
なっていました。
最先端の数々のサービスが生み出される
この街は一体どうなっているのか。
もはや俺の秘めたる好奇心は爆発寸前ですが、
ついに無修正の現実をまのあたりにする日が
やってきたようです。


なぜこんなにも惹かれるのか。

  • 純粋にちやほやされてるのがうらやましい。
  • 楽しそうで、うらやましい。


こんな稚拙な言葉しかでてこない。
なぜだ。
それは、俺が単純にアホだからか、
それとも、心のどこかで
シリコンバレーのすごさを疑っているからか。
なぜ日本人にはできないのか。
同年代でもすごい人はたくさんいて、
その気になればきっとシリコンバレーの人より
優秀な人もたくさんいるはずなのに。
実際ベンチャー企業は日本でも生まれているのに。


なぜだというのだ。

そして、僕にも本当にできないことなのか。

この答えがわかったところで、
僕がどうするか、それはわからないが、
とりあえず見てきます。
答えがそこにあるかもわからないが、
見てきます。
夢を。
夢のつまった街を。

奥底

夏真っ盛りですね。 
非常にあつい毎日が続きます。


自分の部屋にはクーラーがないので、
扇風機のみでやりすごしておりますが、
昼前になるともはや灼熱地獄で寝てられません。
とにかく熱中症にならんようにせんとな。


さてさて近況としましては、
私なにもしてません。


もはや自分で自分のことをクズ呼ばわりしたくなる毎日。
夏休みに立てた

  • 未踏考える
  • 本を読む
  • SheevaPlugでサーバ立てる
  • OSの自作
  • C++の勉強 for TopCoder
  • TOEICそこそこがんばる
  • 研究する

といったような、素敵な予定たちが、
心の奥底につまって閉じこもっています。


ミクロ的にみるとまわりはみんながんばってるのに、
本当にやばいなーと思う反面、
マクロ的にはまぁ人間そんな時期もあるかと思う自分がいて、
そんな自分に対して、あらためてクズだなーとか思ったりしてます。



しかしいくら、束縛を解き放ち、
しがらみから逃れ、
自由を追い求めようとしても、

心の平安は訪れない。

未来

いつの間にやら自分の周りにも就活という言葉がちらほら
聞こえるようになってきました。


今まで、そんな話題には耳を傾けようともしなかったわけですが、
そろそろ真剣に考える時期が来たかなと思ったり。


真剣に考えるといっても、
いわゆる"就活"をするわけでは決してなく、
企業のことや、社会の仕組みを調べたり、
尊敬すべき偉人達の歩んだ道、その哲学を学んでみたり、
周りのいろんな人の考え方を吸収したりした上で、
自分は一体何がしたくて、どうするのか?
深く考えてみようということ。



未来はきっと明るい。